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第五回
「キジのお話し」
抱卵中のキジ

 「焼け野のキギス、夜のツル」と言う言葉が在ります。抱卵中のキジは野火が近付いても卵を守る為に、巣を離れようとしないことを表して、夜のツルは深々と深まる寒さにもじっと耐えて卵を抱いている姿を表しています。

 四月の中頃以降、野食に行かれたら気を付けて見ましょう。昼間はメスのキジが卵を抱きます。オスは巣から少し離れた処で周囲を警戒しています。

 農家の方が草刈機で草を刈っていて、キジの頭を跳ねることがあるそうです。少し残酷ですが、抱卵中のキジはそれ程にも我が子の為に巣を離れようとしないのです。

※ 雑 学
 草刈機で草を刈って居る方の後ろから声を掛けてはいけません。
 声を掛かられて振り返った瞬間に足に大怪我を負うことがあります。

ヘビ食うと聞けば恐ろしきキジの声

 ご存知のようにキジは「ケーン、ケーン」と甲高く鳴きます。縄張りを宣言して、メスを呼ぶ春先の声です。その声を録音して、再生するとオスキジは縄張りを荒らす者が来たと思い込み、テープレコーダーに(今はCDかな?)烈しく攻撃をしてきます。

 キジがヘビを食べるのですか?ヘビがキジの卵を狙ってやって来ると、警戒中のオスは擬態を使ってヘビを巣から遠ざける方へ誘い、羽根を使って烈しく攻撃します。

 さらに弱って来たヘビを嘴で攻撃するのです。でもキジにはヘビを死なせる程の力は無いと思います。追い払えばそれで良いのです。

 その様子から「ヘビ食うと聞けば恐ろしきキジの声」が生まれたのではないでしょうか。

キジは雑食性

 キジは人家の近くに棲み、耕作物の野菜、穀物、豆類を食糧として頼っていて、昆虫や虫も食べます。よって、農家が自家消費の為に、穀物や豆類を作らなくなった昨今、キジの減少は著しいものがあります。

 ヤマドリは深山幽谷の山に棲み、耕作物を食糧としていないとされて来ましたが、昨今はその定説が崩れて、キジとヤマドリの棲息地が混合しているように見られます。此れもまた、里山の形態が崩れて来た為でしょうか、夕食の材料を今日の分だけ野食することが出来る、そんな里山を大切に残して行きたいものです。

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