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メルヘンの野食歳時記第十八回
「野食紹介N - 毒草四天王 - 」

4月になって暖かい日も続き、春の山菜シーズンの訪れを感じさせます。最初のコラムでも言ったように山菜採りには、食べられる植物だけでなく食べられない(毒のある)植物の知識も必要になります。今回はその中でも、間違えやすく危険性の高い毒草を4種類(通称:毒草四天王)紹介していきます。今回紹介する、毒草は誤食すれば全て死ぬ危険性がありますから、絶対覚えておくべきですよ〜。
なお、この文章を参考にした事件が起こっても当方は責任を負いかねますのであしからず。

トリカブト類

【似た山菜】ニリンソウ
【間違えやすい時期】4月〜6月
【中毒症状】呼吸困難、けいれん。最悪の場合は死に至る

 トリカブトは毒草としてあまりにも有名ですが、故意よりも誤って口に入ってしまう可能性が高いことを知る人は少ないでしょう。京都市周辺に住む我々は日頃接することのない植物ですが、北海道など寒冷な地域では平地でも普通に見られる植物です。ちなみに、トリカブトと一概にいっても日本には数十種のトリカブトが生育しており、その全てが猛毒です。

 トリカブトと間違えやすい山菜として、演歌で有名なニリンソウが挙げられます(今年の3月、○の○んたの朝の番組ではトリカブトと間違えやすい山菜としてゲンノショウコが挙げられていた。これは間違いではないが、いい例とは言えない…)。ニリンソウはクセもない美味しい山菜です。しかし、ニリンソウの葉に特徴的なは大きく切れ込みがあって、トリカブトのそれにそっくりです。トリカブトの毒成分は根に最も多く含まれていますが、葉にも含まれているので食べると危険です。

 間違えないようにするには花のついた株しか食べないことです。ニリンソウはその名の由来にもなったように、二輪の白い花を咲かせます。その可憐な花を摘み取ってしまうのは忍びないのですが、中毒を防ぐ確実な方法はそれしかありません。ただし、毒草が多いキンポウゲ科の植物なので、食べすぎないように。

バイケイソウ類

【似た山菜】ギボウシ類
【間違えやすい時期】4月〜6月
【中毒症状】嘔吐、手足のしびれ。多量に食べると死に至る

 これはあまり知られていない毒草ですが、中毒事例が多く、しばしば死亡事故も起こっているので注意が必要です。これも、日本には数種が自生しておりその全てが猛毒です。

 バイケイソウと間違えやすい山菜には、ギボウシ類(これもややこしいことに日本に数種類ある)が挙げられます。こちらは山菜の世界ではウルイ(特にオオバギボウシ)と呼ばれ、最近ではスーパーでも良く見かけるお馴染みの山菜となっています。

 こちらも新芽に状態では見分けが難しいのですが、ポイントを抑えれば間違う確率はかなり低くなります。

  見分けるポイント
@葉柄はギボウシにはあるがバイケイソウにはない
A葉脈がギボウシは途中で合流するがバイケイソウは平行のまま

  文章で書いてもなかなか実践するのは難しいですから、ギボウシ類を採るには、経験をつんで絶対に間違わないという自信を付けてからにしましょう。

ドクゼリ

【似た山菜】セリ、ワサビ
【間違えやすい時期】3月〜6月
【中毒症状】嘔吐、精神錯乱。多食により死に至る

 今年の3月、ドクゼリによる中毒事件が起こったことは皆様の記憶にも新しいことでしょう。当時の報道によれば、ガマの根と間違えて食べたとの事ですが、どこをどう間違えたらそうなるのかさっぱり訳が分かりません…。一般的に間違えやすいと言われているのはセリ(地上部)とワサビ(地下部)です。ドクゼリは京都市周辺でも自生している可能性があるため特に注意が必要です。

 ドクゼリはその名の通り地上部のみてくれは、春の七草の一つであるセリにそっくりです。しかし、葉の形状が異なることやドクゼリの方がかなり大きくなることからも区別は容易です。地上部を見て分からなければ地下部を見れば、ドクゼリは立派な太い根を持っているために、一目瞭然です。

 また、その太く立派な根はお馴染みのワサビの根(根茎)にそっくりです。まぁ、野生のワサビは前にも書いたように、小指ほどの太さしかないので、そのことを知っていればワサビと誤認することなどはなからあり得ないのですが…。そう言ってしまえば元も子もないのですが、一応ここでは簡単な見分け方を紹介します。その方法と言うのは単純で根を二つに割ってしまえばいいんです。ワサビは中身が詰まっていますが、ドクゼリはタケノコのように節になっています。これを知っていれば間違うことは絶対に無いはずです。

ハシリドコロ

【似た山菜】特になし
【間違えやすい時期】4月〜5月
【中毒症状】精神錯乱。運が悪ければ事故死するかも

 ハシリドコロもこれまたあまり知られていない植物ですが、筆者は以前、2時間ドラマの殺人トリックにこの植物が使われているのを見て思わず笑ってしまったことがあります。そのトリックの内容はは悪用されてしまうおそれがあるので、この場では言えませんが(笑)。

 このハシリドコロ(別名キチガイナスビ)は似ている山菜こそありませんが、春に萌え出す新芽はいかにも柔らかく美味しそうなので注意が必要です。野山では見かけた記憶はないのですが、時々、庭先に植えられているのを目にします。夏には釣鐘状の可愛らしい花を咲かせ、これが毒草かと思ってしまうほどです。

 ちなみに、このハシリドコロという名前は、これを中毒した人が錯乱状態となり山を走り回る様から来たようです(トコロは根の意)。



  以上です。今回は特に長くなってしまいましたが、死にたくない人は必ず内容を覚えておいてください。死んでしまっては楽しい野食ライフを送れないですもんね。

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