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メルヘンの野食歳時記第五回
「野食紹介A - エノキタケ -」
エノキタケ

【利用部位】子実体、特に傘
【採集時期】12月〜3月
【採集場所】広葉樹の枯れ木上
【料理】どんな料理にでも合う

 スーパーなどの野菜コーナーで必ず見かける定番のきのこです。普段我々が目にするのはもやし状に育てられた純白でひょろひょろのもの(最近は茶色系統のエノキタケを見かけることも多くなりました。こちらの方がどうも野生種に味も風味も近いようです)ですが、野生のエノキタケは栽培エノキタケとは全く姿が異なります。傘の直径は大きいものでは10cm近くなり、色は茶色でその表面には粘性があります。柄はビロード状の微細な毛が生え、黒く見えます。このように、見た目は大きく違っていますが、特有の甘ったるい香り(某番組では市販のイチゴジャムの香りと同じとの指摘も)は全く同じでこれが見分けるポイントにもなってきます。

 実はこの野生のエノキタケ、結構身近なところに生えます。人家の庭や都会の公園の中の広葉樹の切り株にもよく生えているようです。郊外の住宅地にある筆者の実家のお隣さんにあった柿の樹の切り株にもわんさか生えていましたし。しかも、生えるのは驚くべきことに鍋の材料としてエノキタケが大活躍する真冬なんです!英語でウインターマッシュルームと言われたり、ユキノシタ(雪ノ下)という地方名があるのにも頷けますね。

 他のきのこの少ない冬に発生しますので他の毒キノコと間違う確率も低く安心です。いったん、見分けることができるようになれば、特徴のあるきのこなのでもう野外で迷うことはないでしょう。

 料理ですが、栽培エノキタケはそのシャキシャキした食感を主に味わうのに対して野生のエノキタケはその旨みを味わいます。その旨みは栽培物からは考えられないほど強く、しかも癖がありません。そのため基本的に和洋中どんな料理にでも合いますが、その旨みを生かすためにも薄味の料理がお勧めです。

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